蟲師 第6話「蜜を吸う群」

今回は、“支配からの解放”が必ずしも当人にとっての幸せにつながるとは限らない、というお話。てかこれテーマが深すぎるよなー。
カルト宗教や自己啓発セミナーなんかに嵌まり込む人たちにも言えると思うけど、そんな人ってやっぱそれ以外の別の部分に問題を抱えていたりすることが多いように思える。例えば家庭環境だったり、学校や職場での人間関係だったり、その他諸々。
外部の人から見ればとても異常で“騙されている”ように思えても、本人にとってはそれが辛い現実から逃れる唯一の薬であり、そこに居ることこそが幸せな場合もあるわけで、そんな場合単に周囲の価値観で“そこから引き離せば万事上手く行く”なーんてわけには行かないのが現実。表面からは見えない本当の原因をなんとかしないとまた似たような逃避に走るのがオチ。
でもまあ今回の話の場合、状況が状況だけにどう転んでも不幸な結末は避けられなかったってのが正直なところ。てかこればっかりは穏便に済ませるというわけにはいかんわな。結局あちらの世界に逝くことだけがあこやにとっての救いだったというなんとも救われないお話。生神信仰の真相の暴露が苦しい生活を支える希望だった人たちの直接の助けになるわけではありませんし、それを迷惑に思う人がいても仕方ないところでしょう。
でもまあラストは迷信から解き放たれた人々が漁港の開拓という未来へ向かって進み出したというシーンになってますから、それが今話の唯一の救いでしょうか。